あなたはどんな最期を迎えたい?

突然ですが、あなたはどんな最期を迎えたいですか?
日本は長寿国と呼ばれ、“人生80年”と言われるように、平均寿命は男女ともに80歳を超えています。
この平均寿命は今後も延びていくと言われています。
では、健康寿命という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されており、
こちらは男女ともに70歳台です。
80歳台と70歳台。
そうです。
平均寿命と健康寿命におおよそ10年の差があるのです。
この10年の差には一体どんな違いがあるでしょうか?身体、食事、生活にはどんな違いが?
管理栄養士として10年、高齢者福祉施設に勤めていた視点から見る、現代の高齢者の生活。
この10年には“自分だけでは日常生活を送ることが難しく、誰かのお手伝いがないと、
生活が送れない”という違いがあります。
逆を言えば、“自分だけで日常生活を送ることが無難しくても生活できるし、生きていける”ということなんですね。
私が働いている介護老人施設にはお手伝いが必要な方が120人もいらっしゃいます。
認知症症状がある方が生活されています。
食事だけ切り取ると、自分で食べることができない、咀嚼ができない、飲み込むことができない、そして低栄養。
こういった方がほとんどです。
では、どんな食事をしているのでしょうか。
咀嚼が難しい方には細かく刻んだ食事、飲み込むことができない方にはミキサーにかけたペースト状の食事、低栄養の方には食事の他に栄養剤が提供されます。
食事が口から摂れない方は胃に管を通して栄養剤を注入します。
自分で食べられなくても介護士の方が介助して食べさせてくれます。
これが現状、これが健康寿命と平均寿命の10年の差です。
自分で食べ物を口に入れて、咀嚼し、飲み込めなくても生きていけるのです。
医療や介護が進んで長く生きていられる時代。でも長く生きられることだけが幸せなのか。
立ち止まって考えてみることも大切なのかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。